青森道中①

奈良美智graf「Yoshitomo Nara + graf A to Z」展弘前吉井酒造煉瓦倉庫。ほんとうに行ってよかった。行けてよかった。ちょっと長い旅の覚え書き。

青森空港から弘前へ向かうバスの車窓からは、りんご畑と黄金色の田んぼ(もう刈り入れの時期)と青空。秋晴れで空が高い高い。3日間ずっと天気が良くて、スコーンと抜けた空がとてもきれい。弘前市内はいたるところにA to Z展の告知のポスターや案内板があり、町をあげて盛り上げている様子。途中道を聞いたおばちゃんの話す津軽弁が、めっちゃかわいかった。

展覧会はとにかく楽しかった〜!!今の奈良さんの世界が余すところなく伝わってきて、んで見た後にはめっちゃいい気分になるような。展示物は初期から新作まで幅広く、総決算的な感じ。奈良さんのアトリエを再現したおなじみの小屋や、Hで松本大洋とコラボレートした時のお互いの原画や、FOILに載ってたアフガンの写真(この写真集が好きなので)が良かったけど、何より新作が良かった。作品がまとう雰囲気がやさしくてびっくりした(前回の「I DON'T MIND, IF YOU FORGET ME.」頃と比べると、表情が格段に違う気がする)。

どんどん次が見たいんだけど、その場を離れるのがもったいないような気分でゆっくりと見て回る。趣のある古いレンガ倉庫内に作られた小屋は、それぞれに工夫が凝らされ遊び心にあふれ、誰もが楽しめる作りや見せ方になっていて、私は奈良さんのこういうところが好きなんだと改めて思った。と同時に作品や展示方法、会場作りなどには一切の妥協がなくて、みんなが力を出し切ったのもビシバシ伝わってくるものだった。その中で流れてる電撃パップもかっちょ良かったな。

奈良さんとgrafとボランティアさんと地元に支えられた展覧会っていうのをすごく感じたし、いろんな強い気持ちに引っ張られて、たくさんのお客さんが県内外から足を運ぶんだろうな。この建物を使った展示は最後って聞いたけど、ここで感じたことは私の中で残ってくだろうし、そういうのを願って、奈良さんたちはこの会場を作ったんやろなーって思いつつ会場を後にしました(HEAT WAVEの山口洋ええこと書いとった!)。会期はあと1ヶ月。行きたい人行けるといいね。ほんとすごいから。

五能線(TITLEでタモリも絶賛してたなー)で十二湖へ。ほんと海すれすれに線路があって、大きな窓から見える夕日が美しすぎた。泊まった民宿ではアワビが出てきてびっくり(宿泊費6千円くらいなのに…)!!